臨床がしんどい若手PTほど“評価が雑”になりやすい話|うまくいかない原因は能力じゃない
「頑張っているのに、なぜかうまくいかない」
若手PTと話していて、よく出てくる言葉があります。
- 評価は一通りやっているはず
- 教科書も勉強している
- 上級者の真似もしている
それでも
「介入の手応えがない」
「自信が持てない」
「臨床がしんどい」
この状態に陥っている人は少なくありません。
そのとき、周囲から(あるいは自分自身で)
「評価が雑だからじゃない?」
と言われることがあります。
ただ、ここで一つはっきり言っておきたいのは、
これは能力の問題ではない、ということです。
しんどい若手PTほど、評価は「雑」になりやすい
臨床がしんどい時期の若手PTには、共通した特徴があります。
- 患者対応に常に緊張している
- 書類・カンファレンス・勉強で余裕がない
- 「正解を出さなきゃ」という焦りが強い
この状態で評価をすると、どうなるか。
評価が「多くなる」
不安が強いほど、
- ROM
- MMT
- 感覚
- 反射
- 歩行分析
など、とにかく全部やろう とします。
でも「整理する余力」がない
結果として
- 何が一番の問題か分からない
- 評価同士がつながらない
- 仮説が立たない
つまり
評価項目は多いのに、評価として機能していない
という状態になります。
これが、いわゆる「評価が雑」に見える正体です。
評価が雑=適当、ではない
ここは重要なポイントです。
評価が雑に見える ≠ 手を抜いている
むしろ逆で、
真面目で、責任感が強く、頑張っている人ほど起こりやすい
現象です。
- 失敗したくない
- 見落としが怖い
- 先輩に突っ込まれたくない
その結果、
「評価を集めること」自体が目的になってしまう。
本当の問題は「評価の設計図」がないこと
評価がうまくいっているPTは、
最初からすべてを調べているわけではありません。
彼らが持っているのは
評価の設計図(仮説) です。
例
- この人は「立ち上がり」が一番困っている
- 原因は筋力?可動域?それとも動作戦略?
- だから、まずはここを見る
この流れがあるから、
- 評価が少なくても
- 情報がつながり
- 介入に直結する
一方、しんどい若手PTは
「何が分からないか分からない」状態。
だから
設計図なしで、材料だけ集めている
これでは、家は建ちません。
若手PTがまずやるべき評価の考え方
評価が雑にならないために、
若手PTが最初に意識してほしいのはこれです。
① 主訴と動作を1つに絞る
- 歩行
- 立ち上がり
- 更衣
まずは1動作だけ。
②「なぜできないか」を3つまで挙げる
- 筋力
- 可動域
- 姿勢制御
3つで十分です。
③ その仮説を確かめる評価だけ行う
ここで初めて評価項目を選びます。
この順番を守るだけで、
評価は一気に「意味のあるもの」になります。
評価が整うと、臨床は少し楽になる
評価が整理されると、
- 介入に迷いが減る
- 説明ができる
- 先輩に相談しやすくなる
結果として
「臨床がしんどい」感覚が確実に軽くなります。
これは才能ではなく、
構造の問題 です。
まとめ:うまくいかないのは、あなたのせいじゃない
- 若手PTが評価でつまずくのは自然
- しんどいほど評価は雑に見えやすい
- 原因は能力不足ではなく「設計図不足」
評価は
「全部やるもの」ではなく
「仮説を確かめるもの」。
もし今、臨床がしんどいなら、
それはあなたが向いていないからではありません。
ちゃんと悩めている証拠 です。

