評価が苦手なPTが最初に整理すべき考え方|臨床がブレなくなる思考の軸
評価が苦手だと感じる瞬間、ありませんか?
評価をしていて、
- 何から見ればいいか分からない
- 情報は集まるけど、結局どう使えばいいか迷う
- 評価と治療がつながっていない気がする
そんな感覚を持ったことはありませんか?
理学療法士として経験を積んでいても、
「評価が得意です」と胸を張って言える人は意外と多くありません。
私自身も、新人の頃
評価を取るだけ取って上司から
「結局この患者の問題点は何?」ときかれて答えられなかった経験があります。
評価が苦手になる原因は「知識不足」ではない
評価がうまくいかないと、
- 知識が足りない
- 検査をもっと覚えないと
- 経験が少ないから仕方ない
そう考えがちですが、
多くの場合、問題はそこではありません。
評価が苦手になる本当の理由は、
「評価で何を決めたいのか」が曖昧なまま始めていること
ここにあると感じています。
評価の目的は「全部を知ること」ではない
評価というと、
- ROM
- 筋力
- 感覚
- 動作分析
- 社会的情報
など、あらゆる情報を集めたくなります。
もちろん情報は大切ですが、
すべてを同じ熱量で見る必要はありません。
評価の目的は、
目の前の問題に対して、次に何をするかを決めること
です。
私が評価で最初に考えていること
評価に入る前、
私がまず自分に問いかけているのはこの一つです。
「この患者さんは、何が一番困っているのか?」
- 歩行なのか
- 立ち上がりなのか
- 疼痛なのか
ここが定まると、
見るべき評価項目が自然と絞られてきます。
評価は「仮説 → 確認」の繰り返し
評価が整理できないときほど、
- とりあえず全部測る
- 使えそうな検査を並べる
という状態になりがちです。
でも実際は、
- 困っている動作を確認
- 原因を仮説として立てる
- その仮説を確かめる評価を選ぶ
この流れで十分です。
例でいうと、
「この方はトレンデレンブルグ徴候がみられるなー」
⇒「中殿筋の筋力低下があるかも!評価してみよう!」
⇒「MMTで4ある!ってことは違う要因があるかも!」、、、
といったかんじです。
評価は
情報収集ではなく、意思決定のための作業
だと考えると、少し楽になります。
評価が整理できると、治療もブレにくくなる
評価の軸が決まると、
- 治療の狙いがはっきりする
- プログラムを組む理由を説明できる
- 振り返りがしやすくなる
といった変化が出てきます。
「なんとなくやっている治療」から
「意図を持った介入」へ変わる感覚です。
評価で「ブレない軸」を持つには
評価に入る前に、毎回この問いを自分に立てる習慣をつけてみてください。
- この患者さんが退院後に困りそうなことは何か?
- 今日の評価で、何を明らかにしたいのか?
- 前回の評価から、何が変わったと予想しているか?
この問いを持って評価に入るだけで、「何となく評価する」から「目的を持って評価する」に変わります。
最初はうまく答えられなくていい。
「何を見ればいいかわからない」という状態から、「何を知りたいかが曖昧」という状態に気づくだけでも、一歩前進です。
「評価が得意」になるための実践ステップ
ステップ① 主訴を深掘りする習慣をつける
患者さんが「歩けるようになりたい」と言ったとき、そのまま受け取らずに深掘りしてみましょう。
「どのくらい歩けるようになりたいか」「歩けるようになって何がしたいか」
ここまで聞けると、ゴールの解像度が上がります。
評価の方向性が自然と見えてきます。
ステップ② 評価の「ストーリー」を作る
評価結果をバラバラに並べるのではなく、「なぜこの結果になっているのか」というストーリーをつなげてみましょう。
例:
「右股関節外転MMT3→骨盤の右傾斜→右立脚期の短縮→非対称歩行」
このようにつながると、「どこから介入するか」が論理的に決まります。
ストーリーのある評価は、プログラムにそのままつながっていきます。
ステップ③ 「予測と結果のズレ」を記録する
評価前に「〇〇に問題があるはず」と仮説を立て、評価後に「合っていたか、違ったか」を簡単に記録してみましょう。
この繰り返しが、臨床推論の精度を高めていきます。
ズレた理由を考えるほど、次の評価の視点が増えていきます。
まとめ|評価は考え方で変わる
評価が苦手だと感じたとき、
- 知識を増やす前に
- 検査を覚える前に
まず整理したいのは、
評価で何を決めたいのか
という視点です。
評価は怖くない!評価は私たちの味方ですよ!

