コミュニケーション

報連相が苦手なPTへ|伝わらないを減らすシンプルな工夫

tsuru

「報連相が苦手です」

これは、新人さんだけの悩みではないと思っています。

理学療法士として働いていると、
評価や治療そのものだけでなく、
人に伝える力が必要になる場面がかなり多いです。

  • 患者さんの状態を先輩に相談するとき
  • 介助量やリスクをスタッフ間で共有するとき
  • カンファレンスで経過を短く伝えるとき
  • うまくいかなかったことを報告するとき
  • 指示を受けたあとに確認するとき

こういう場面で、
「何をどう言えばいいのか分からない」
「言いたいことはあるのに、うまくまとまらない」
「あとから“あの言い方でよかったかな”と引きずる」
そんな経験は珍しくありません。

特に忙しい現場では、
伝える内容そのものよりも、
**“伝え方が整理されているかどうか”**で受け取られ方がかなり変わります。

逆に言えば、
報連相が苦手でも、センスだけの問題ではありません。

少しやり方を変えるだけで、
伝わりやすさはかなり変わります。

この記事では、
報連相が苦手なPTが意識しておきたいシンプルな工夫を、
なるべく現場で使いやすい形でまとめます。

報連相が苦手なのは「話すのが下手だから」ではない

まず最初に伝えたいのは、
報連相が苦手だからといって、
コミュニケーション能力が低いと決めつけなくていいということです。

多くの場合、うまくいかない理由はもっとシンプルです。

たとえば、

  • 何から話せばいいか分からない
  • 情報が頭の中で整理できていない
  • 相手が何を知りたいか想像できていない
  • 正確に伝えようとして言葉が増えすぎる
  • 間違えたくなくて、かえって話しにくくなる

こうしたことが重なると、
報連相は一気に難しく感じます。

つまり問題は、
「自分は話すのが下手だ」というより、
“伝える前の整理”がうまくいっていないことが多いんですよね。

ここを分けて考えられるようになると、
少し気持ちが楽になります。

話し上手を目指す必要はありません。
まずは、相手が受け取りやすい形に整えることの方が大事です。

新人さんとの会話そのものに苦手意識がある方は、まずこちらの記事も参考になります。

新人さんと話すときにPTが本当に意識すべき「たった一つのこと」【指導が楽になる】
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報連相が苦手なPTが意識したいのは「完璧さ」より「わかりやすさ」

報連相が苦手な人ほど、
ちゃんと伝えなきゃ、
正確に話さなきゃ、
抜けがあったらまずい、
と考えやすいです。

もちろん、医療職なので正確さは大切です。
ただ、そこで力みすぎると、逆に話が長くなったり、要点が見えにくくなったりします。

現場で相手が知りたいのは、まずは大きく次の3つです。

  • 何が起きているのか
  • 何が問題なのか
  • こちらは何を相談したいのか

この3つが見えれば、
多少言葉が整っていなくても、会話はかなり進みます。

反対に、この3つが見えないまま話し始めると、
情報量が多くても伝わりにくくなります。

だから報連相で大事なのは、
完璧に話すことではなく、
相手が理解しやすい順番で出すことです。

ここを意識するだけでも、
「うまく話せない」という感覚は少し減っていきます。

工夫① まず「結論から一言」で始める

報連相が苦手な人にいちばん効果があるのは、
最初に結論を一言で置くことです。

たとえば、

  • 「○○さんの歩行介助量について相談です」
  • 「△△さんの血圧変動が気になったので報告です」
  • 「本日の訓練で気になった点が1つあります」
  • 「Aさんの移乗方法について確認したいです」

この一言があるだけで、
相手は何の話を聞けばいいか分かります。

逆に、結論がないまま

「今日○○さんを見ていたんですけど、午前中は調子がよさそうで…」
と入り始めると、
相手は“で、何の話?”となりやすいです。

もちろん、慣れないうちは緊張します。
でも、最初の一言を固定しておくだけでもかなり違います。

僕自身、伝えるのが苦手だなと感じていた時期は、
**「相談です」「報告です」「確認です」**を最初に言うようにしてから楽になりました。

この一言があるだけで、
自分の中でも話の目的がはっきりします。

報連相が苦手な人ほど、
話しながら整理しようとしがちです。
でもそれだと、相手にもその混乱が伝わってしまいます。

まずは一言。
「今日は何を伝えたいのか」を先に置く。
これだけでも現場ではかなり有効です。

工夫② 状況説明は「全部」ではなく「必要なところだけ」

報連相が苦手な人に多いのが、
丁寧に説明しようとして情報を増やしすぎることです。

でも、相手がほしいのは
全部の情報ではなく、判断に必要な情報です。

たとえば歩行の相談なら、

  • どの場面で
  • 何が起きて
  • 何が気になっていて
  • 何を確認したいのか

ここがあれば十分なことが多いです。

たとえば、

「Aさんの歩行介助について相談です。平行棒内では見守りでいけるのですが、病棟歩行になると右膝折れが少し出ます。今後の介助量をどう設定するのがよいか確認したいです」

これなら、相手はかなり受け取りやすいです。

一方で、

「今日Aさんを午前中に見たんですけど、最初は表情も悪くなくて、血圧もそんなに問題なくて、立ち上がりも昨日より少し良い感じがして、それで歩いてみたんですが…」

と始まると、
必要な情報にたどり着くまで時間がかかります。

大事なのは、
“全部知ってもらう”ではなく、“判断に必要な情報を渡す”ことです。

ここを意識するだけで、報連相はかなりシンプルになります。

工夫③ 「事実」と「自分の考え」を分ける

これはかなり大事です。

報連相が混乱しやすいときは、
事実と解釈が混ざっていることがよくあります。

たとえば、

  • 事実:歩行時に2回ふらついた
  • 解釈:今日は全体的に不安定だと思う

この2つは似ていますが、別です。

報連相では、

「歩行時に2回ふらつきがありました。私は今日は少し不安定さが強い印象でした」

のように分けて伝えた方が、相手は判断しやすくなります。

この形にすると、
自分の考えを言ってはいけないわけではなく、
考えを“考えとして”出せるようになります。

若手の頃は特に、
「こんなこと言ってズレていたらどうしよう」と不安になりますよね。

でも、だからこそ、
事実と考えを分けるのが有効です。

事実だけでも伝えられる。
そのうえで、自分の見立ても添えられる。
この形にしておくと、相談もしやすくなります。

工夫④ 相談のゴールを自分の中で決めておく

報連相がうまくいかないとき、
意外と多いのが
自分でも何を求めているのか曖昧なまま話していることです。

  • ただ報告したいのか
  • 判断を仰ぎたいのか
  • 確認したいのか
  • 一緒に考えてほしいのか

この違いが曖昧だと、
話が長くなったり、相手とのズレが起きやすくなります。

たとえば、

  • 「報告だけです」
  • 「介助量の判断を相談したいです」
  • 「この理解で合っているか確認したいです」

この一言が最後につくだけで、会話の着地点がかなり明確になります。

これは、相手のためでもありますが、
自分のためでもあります。

相談のゴールが決まっていれば、
余計な情報を出しすぎずに済みます。

職場のすれ違いを減らしたい方は、普段の関わり方そのものを見直したこちらの記事もつながりやすいです。

理学療法士の職場で起きるすれ違いを減らすには?僕がやめた3つの習慣
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工夫⑤ 話す前に「30秒だけ頭の中で並べる」

報連相が苦手な人ほど、
その場で急に話し始めると詰まりやすいです。

そんなときにおすすめなのが、
話す前に30秒だけ、頭の中で次の順番を並べることです。

  • 何の話か
  • 何が起きたか
  • 何を相談したいか

たったこれだけです。

紙に書く必要もありません。
心の中で一度並べるだけでも違います。

たとえば、

「Bさんの移乗について相談です。今日の午後、立ち上がり時にふらつきが強くありました。今後も見守りでよいか確認したいです」

この程度で十分です。

慣れてくると、
この並べ方が自然にできるようになります。

報連相が苦手な人は、
能力が足りないというより、
整理する前に話し始めてしまっていることが多いです。

だからまずは、
話す前の30秒を雑にしない。
これだけでも変わります。

工夫⑥ うまく話せなかった日を引きずりすぎない

これは技術というより、気持ちの持ち方です。

報連相で失敗したと思う日ってありますよね。

  • うまく説明できなかった
  • 相手の反応がそっけなく感じた
  • あとから言い直したくなった
  • もっと簡潔に言えた気がする

こういう日は、かなり引きずります。

でも、報連相は一回で完璧になるものではありません。
むしろ、少しずつ整っていくものです。

それに、相手が忙しいだけで反応が薄いこともあります。
自分が思うほど、毎回細かく評価されているわけでもありません。

大事なのは、
「今日はダメだった」で終わるのではなく、

  • 結論を先に言えたか
  • 情報を増やしすぎなかったか
  • 相談のゴールが見えていたか

このあたりを一つだけ振り返ることです。

全部反省しなくて大丈夫です。
一つで十分です。

仕事のことを家まで引きずりやすい方は、切り替え方を整えるこちらの記事も参考になります。

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報連相が苦手でも、少しずつ伝わるようになる

報連相が得意な人を見ると、
もともとそういう人なんだろうな、と感じることがあります。

でも実際は、
最初からうまくできる人ばかりではありません。

少しずつ、

  • 結論から入る
  • 事実と考えを分ける
  • 必要な情報だけに絞る
  • 何を相談したいのか明確にする

こうしたことを積み重ねて、
伝わりやすくなっていくことの方が多いと思います。

理学療法士の仕事は、
一人で完結する場面ばかりではありません。
だからこそ、報連相の上手さは才能というより、
現場で少しずつ整えていく技術です。

苦手意識があること自体は悪くありません。
むしろ、「もっと伝わりやすくしたい」と思えている時点で、
すでに改善の入口に立っています。

将来への不安や、自分の成長への焦りとつながっていると感じる方は、こちらの記事も読みやすいと思います。

理学療法士の将来が不安な理由|若手PTが整理したい3つの視点
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まとめ

報連相が苦手なPTが意識したいのは、
話し上手になることではありません。

大事なのは、
相手が受け取りやすい形に整えることです。

今回のポイントをまとめると、次の通りです。

  • 最初に結論を一言で置く
  • 状況説明は必要なところだけにする
  • 事実と自分の考えを分ける
  • 相談のゴールを決めておく
  • 話す前に30秒だけ頭の中で並べる
  • うまくいかなかった日を引きずりすぎない

報連相が苦手でも、
少しずつ伝わるようになります。

最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
まずは明日、
「相談です」
「確認したいことがあります」
この一言からでも十分です。

コミュニケーションまわりの悩みを続けて整理したい方は、こちらの記事もおすすめです。

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ぽん
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駆け出しブロガー
【自己紹介】理学療法士として回復期病院に勤務中。急性期から回復期、介護予防事業に関わってきました(8年目)。2児のパパとしても奮闘中。
【趣味】TVでの野球観戦。ゴルフや草野球は最近行けてません。
【方向性】PTとしての日常や業務効率化、ちょっとした悩みなどを発信していきます。
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